TOP > 有意差検定の手順


前ページで検定の概要を説明したが、先程の例題を基に具体的な手順を説明します。



例)
ある工場で製造された製品の収量平均が53.5kg、標準偏差が12.0kgであることが分かっている。
今回新しい方法で製造した製品を20ロット無作為抽出で標本調査した結果、収量の平均は60.0kgであった。
この結果では6.5kgの差があるが、新しい製造方法は従来の製造方法と比べて収量に差があるといえるだろうか。

新しい製造方法は従来の製造方法と比べて差がないという仮説を例にして手順を進める。
また、有意水準は5%ととする。

手順1

帰無仮説H0と対立仮説H1を設定します。

帰無仮説H0:差はない
対立仮説H1:差はある


手順2

「検定統計量」μ(ミュー)を求めます。



手順3
手順2で求めた検定統計量μ=2.43が採択域に入るか、棄却域に入るかについて判定します。
下図に示す通り、両側検定で有意水準5%の場合、両方の確率をα/2=0.025(片側2.5%づつ)に設定します。



この確率に対応する横軸の値を下表の「標準正規分布表」から求めます。





表の見方

標準正規分布表は正規分布の全体の面積を1.0とした時の横軸Z=0からZまでの面積を表しています。
例えば、Z=2.0のときは0.4772となり、斜線の部分の面積が全体の47.72%になることが分かります。
検定の要点としては、検定統計量μの値を棄却域0.025に対応するZの値と比較することになります。



では棄却域を0.025にした場合のZはいくつになるでしょうか。
下図の通り、赤い斜線の面積に対応するZの値を求めれば良いのですから、
赤い斜線の面積=0.5(片側半分の面積)-0.025(棄却域)=0.4750
標準正規分布表からこの0.4750をに対応するZの値を求めると、Z=1.96ということが分かる。
また、片側検定の場合はZ=1.64になります。



Z=1.96という値が算出されたので、これを標準正規分布に当てはめると下図のようになります。
標準正規分布は平均値を基準にして左右対称であることから、左右の棄却域の絶対値は同じ値と
なります。



従って、検定統計量μの絶対値|μ|と先程求めたZの絶対値|Z|の関係は以下のようになります。

<有意水準5%の場合>
 |μ|>=1.96 帰無仮説を棄却
 |μ|<=1.96 帰無仮説を採択

よって、この手順2よりμ=2.43と算出されているので、
2.43>=1.96が成立し、下図に示すように検定統計量2.43は棄却域にはいることから
「新しい製造方法は従来の製造方法と比べて差がない」という帰無仮説は棄却される結果となります。



また、問題が「新しい製造方法は従来の製造方法と比べて収量が増加したか(または減少したか)」
である場合は片側検定を行います。
片側検定は下図に示すように、右側(または左側)だけで棄却域を設定します。(大きいか、小さいか)



有意水準5%の場合のZは1.64でになりますので、検定統計量μとの関係は以下のようになります。

<有意水準5%の場合>
帰無仮説:差がない
対立仮説(右側):大きい  対立仮説(左側):小さい
右側検定 μ>=1.64 帰無仮説を棄却して、母平均<標本平均と判定
左側検定 μ<=−1.64 帰無仮説を棄却して、母平均>標本平均と判定

例題の場合、μ=2.43なので
2.43>=1.64が成立し、帰無仮説が棄却され、「母平均<標本平均」となり、
「新しい製造方法は従来の製造方法と比べて収量が増加した」と判定出来ます。




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