TOP > 有意差検定の概要


1.検定の概要
 母集団に対して「仮説(hypothesis)」を設定し、その仮説が正しいのか正しくないのかを
統計的手法を用いて判定する方法を「検定」といいます。

ここでは、データが計量値の場合の解析方法として、平均値、標準偏差を計算し正規分布を使用した
検定を行います。



例)
ある工場で製造された製品の収量平均が53.5kg、標準偏差が12.0kgであることが分かっている。
今回新しい方法で製造した製品を20ロット無作為抽出で標本調査した結果、収量の平均は60.0kgであった。
この結果では6.5kgの差があるが、新しい製造方法は従来の製造方法と比べて収量に差があるといえるだろうか。


○考え方
 検定とは、標本の平均と母集団の平均との間にある差が誤差であるのか、そうではないのかを判定することです。
ここで、標本の平均値を「標本平均: (エックスバー)」
母集団の平均値を「母平均:μ(ミュー)」
で表現し、標本調査の結果が母集団の実体に対してどの程度の信頼性をもっているかを統計的手法で検討します。

 上記の例題の場合、統計的手法では、検定の基準として「新しい製造方法と従来の製造方法の収量に差はない」
とする仮説を設定します。
この「差はない」とする仮説を「帰無仮説」といい、記号H0で表現し、
また、「差がある」とする仮説は「対立仮説」といい、記号H1で表現します。
 つまり、「帰無仮説」が否定されれば、「新しい製造方法と従来の製造方法の収量に差はないとは言えない」
と判定します。
このような手法を「仮説検定(hypothesis testing)と言い、設定した仮説が否定されることを「棄却(Reject)」、
逆に仮説が否定されないことを「採択(Accept)」と言います。


 仮説検定は確率的にめったにおきない値の範囲を「棄却域」として設定しておくことです。また、棄却域以外の
範囲を「採択域」として設定します。
例題のような、標本調査の結果から「検定統計量」という値を算出し、その値が下図1に示している棄却域に
入っていれば、設定された「差はない」とする仮説の「帰無仮説」は棄却される。逆に「採択域」に入れば
「帰無仮説」は採択される。
「帰無仮説」が棄却される:差がある
「帰無仮説」が採択される:差がない

ここで、図1に示す棄却域に相当する確率を「有意水準(Significant Level)」、または「危険率」といい、
α(アルファ)で表現します。
 
 統計学でではこの「有意水準(危険率)」を普通「5%」または「1%」と決めておいて、標本調査から検定統計量を
求め、この検定統計量が有意水準によって設定されている棄却域に入るか採択域に入るかによって、設定された
帰無仮説の棄却、採択を判定します。
有意水準(危険率)とは、帰無仮説を棄却する基準となる値であり、また
有意水準(危険率)5%ということは、100回のうち5回は判断を誤るかもしれないということになるので、
調査対象の種類などによっては1%に設定するなど使い分けが必要になる基準です。








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